歯周病
歯周病治療について
当院の歯周病治療の特徴
当院の歯周病治療は日本歯周病学会のガイドラインに応じて行っております。また、近年歯周病が全身の健康のリスクファクターになることが示されており、そのような観点からも当院では歯科と医科の連携を重要視して各医療機関と連携を行いながら治療を行っていきます。
歯周病の改善のみならず、全身の健康の管理も行いながら治療を行うのが当院の特徴になります。
歯周病治療の診療方針
歯周病治療の治療成功のためにはしっかりとした治療計画を立てることが大事になります。
そのためには検査や診断には時間をかけて行い、病気の状態や治癒の度合いに合わせて柔軟に治療計画も練りなおしながら進めていくことが大切です。
市が尾スノードロップ歯科では担当医と担当衛生士が綿密な治療計画のもと相互に確認を行いながら診療にあたります。
歯周病症状の段階について
軽度歯周病
見た目: 赤くなって若干腫れている
痛み: 軽度の違和感程度
日常生活の支障: ほぼない
中等度歯周病
見た目: 赤くなって腫れている
痛み: 噛むと痛い、疲れてくると鈍痛を感じる
日常生活の支障: 硬いものが噛みにくくなる
重度歯周病
見た目: 赤くなって明らかに腫れている
痛み: 噛むと痛い、鈍痛を感じることが多い
日常生活の支障: 歯が揺れて噛めない、
楽しく食事ができない
歯周病・歯肉炎について
歯周病について
歯周病とはどんな病気か
歯周病とは歯を支える歯槽骨と歯ぐきに炎症が起こり、それにより骨が溶けていく病気です。
症状
歯ぐきが赤く腫れ、出血や排膿があります。また、重度になると歯が揺れて食事がしにくくなります。
歯周炎について
歯肉炎とはどんな病気か
歯ぐきに限局した炎症が起こっている状態で歯槽骨までは炎症は広がっていない病気です。
症状
歯ぐきが赤く腫れ、出血がみられます。
歯周病になる原因とは
歯周病の主な原因はプラークです。プラークは口腔清掃状態が悪いと増えます。
よくプラークは食べ物の残ったものと思われがちですが実際は細菌の塊になります。食べ物を食べた後、食べ物の中にある糖分をエネルギー源として細菌が増えていきます。その増えた細菌は歯の表面に作られる膜のようなペリクルにくっつき何層にも重なっていきます。これがプラークの正体です。
プラークは細菌の塊なので細菌が体内に侵入してくるのを防ぐために炎症が起こり細菌の侵入を防ごうとします。
これが続くと歯ぐきのみの炎症(歯肉炎)から炎症が広まり歯槽骨まで達した状態(歯周炎)となります。
歯周病になりやすい方の3つの特徴
歯周炎になりやすい方の3つの特徴を説明をしていきます。
プラークが多い方
まず最大の原因としてプラークが多い方は歯周病になりやすいです。要は歯ブラシをしない人や歯ブラシが正しくできていない方が当てはまります。
歯並びが悪い方
次に歯並びが悪い方です。歯並びが悪い人は歯ブラシだけでは十分な清掃効果は得られません。タフトブラシやデンタルフロス、歯間ブラシといった補助的清掃器具が必要になります。清掃効果が十分に得られなければプラークがたまり歯周炎となります。
喫煙者の方
次は喫煙者の方です。喫煙は歯周病を増悪させる最大のリスクファクターです。喫煙をすることで歯周炎の炎症がわかりにくくなり正確な診断が難しくなります。その結果、気づいたときには進行していたということが起こりえます。
また、近年は紙巻タバコから加熱式タバコへと変えているので大丈夫という方がいますが日本歯周病学会が加熱式タバコについて見解を出しており、まだ研究の余地があるものの全身の健康に影響することがわかってきており、紙巻タバコと加熱式タバコともに禁煙することが望ましいです。次に全身疾患を有する方が挙げられます。歯周病は様々な全身疾患と相互関係にあることが分かってきており、医科の生活習慣病のチェック項目に歯科検診の受診の有無が聞かれるようになりました。
歯周病と全身疾患について
歯周病は様々な全身疾患と関連性があります。
歯周病と糖尿病
歯周病は糖尿病の合併症の一つで歯周病によって起こった炎症に関連する化学物質が血流によって全身に流れ、その結果血糖値を下げるインスリンの効果を減退させます(インスリン抵抗性)。その結果、糖尿病が悪化するとわかっており、糖尿病患者が歯周病の治療を行うことで糖尿病の診断に用いられるHbA1cが下がるという研究結果も多く報告されています。
歯周病と心臓血管疾患・脳血管疾患
歯周病を起こす原因菌によって産生される毒素や炎症性物質が血液を介して伝わることで、動脈硬化になりやすくなったり血管内にプラークが出来ることで血流を停滞させて疾患を引き起こします。
歯周病と誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎は食べ物や異物が誤って肺や気管に入ってしまうことで起こる肺炎の事です。通常、肺や気管は咳をすることで異物が入ることを防いでいますが、高齢になるとこの機能が衰え食べ物と一緒に細菌が肺や気管に入ってしまうことがあります。また、誤嚥性肺炎の原因菌の多くは歯周病菌であるといわれており、厳正肺炎の防止のためにもプラークコントロールが重要であると言えます。
歯周病と早産・低体重児出産
妊娠している女性が歯周病に罹患しているとタバコやアルコール、高齢出産などに比べて高い倍率で早産や低体重児出産が起こることが分かっています。妊娠による女性ホルモンの変化で妊娠性歯肉炎を発症することもありますので注意が必要です。
歯周病で抜歯を行った方が良いケース
歯周病が進行をすると歯を支えている歯槽骨が溶けてしまい歯がぐらぐらと揺れてきます。この揺れが大きくなると食べ物を嚙むことが難しくなり、噛んだ際に痛みも出てきたりします。
このような状態になり食事が困難になってくると全身の免疫力が低下をしてより病状が進むという悪循環に陥ります。このような状態では抜歯を行うのが良いですが、抜歯を行う前には必ず各種検査を行い予後不良の診断となったときのみ抜歯となります。
歯を抜かずに治療するメリット・デメリット
メリット
歯周病の状態にもよりますが歯が残ることで審美的な面ではメリットになります。また、身体に侵襲を加えないので患者さんの負担が少ないというメリットがあります。
デメリット
抜歯しなければならない歯を残すことは、噛めない痛いということだけでなく、歯槽骨がどんどんなくなっていきます。歯槽骨は両隣の歯も支えているので歯槽骨がなくなれば周りの歯も抜歯となる可能性が出てきます。
また、噛めない歯があることで食事を満喫できなかったり、歯ぐきからの出血や排膿の原因にもなります。また、口臭も出るようになり生活にも支障が出てきます。
歯を抜いた場合のメリット・デメリット
メリット
炎症の原因となる歯を抜くことで炎症が軽減し様々な疾患への影響が少なくなります。また、噛めない歯を抜くことで食事がしやすくなり免疫力も回復させることが出来ます。歯を抜くことで骨の吸収状態にもよりますが歯槽骨の回復が起こります。
また、臨在歯などへの影響が少なくなります。
デメリット
歯がなくなると徐々に噛む力(咬合力)は落ちていき、硬い物などが食べにくくなっていきます。また、歯がない部分をそのままにしておくことで歯並びが悪くなったり、審美的にも悪くなります。